7〜8



雄「陽一、優子さんって、かわいい子ね。」
陽「当たり前だろ。俺は面食いなんだ。おふくろも、かわいいこの方がいいだろ?」
雄「かわいいに、こしたことはないけど、おじいちゃんは心配じゃないの?」
陽「大丈夫だよ。あの顔で、柔道やってるから。」
雄「あっそうなの?人って見かけによらないのね。」
陽「心配するほどのことはないよ。あっ、俺としては、じいちゃんのほうが心配かな。」
雄「どうして?おじいちゃんは大丈夫よ。今でも、精力減退なんか知らないって顔してるし。」
陽「うん、そうなんだけど・・・・」
と、言って、横のてつ爺を見た。
自分に会いたいって言ってくれたことがよっぽど嬉しかったのか、話はそっちのけで、準備運動を始めたてつ爺だった。


〜ある夕方〜
てつ爺は庭で、盆栽をいじっていた。実はこの盆栽は、雄子の趣味なのだが。
そこへ、優子がやってきた。
優「こんばんは、おじいちゃん。」
て「だれじゃ?」
優「陽ちゃんにいつもお世話になってます。優子です。」
て「ああ、この間来てくれた子か。こんばんは。ほ〜ぉ、本当にかわいい子じゃな。」
優「いやだぁ、おじいちゃんったら。そんなぁ。」
て「いや、本当じゃ。陽一は今仕事中だぞ。」
優「うん、今日はおじいちゃんに会いにきたから。」
て「お?そうか。嬉しいなあ。うちの薫なんか、わしをいつも邪魔にしてなあ。」
優「ええ?そうなんですかぁ。こんなかわいいおじいちゃんを邪魔にぃ?」
て「うん、そうなんじゃ。
  そうだ、二人で飲みに行くか?陽一はもう少し時間かかるだろうから。
  この近所に、わしの行き付けの店があるんじゃ。」
優「いいですね。行きましょう。私、おじいちゃんっていないから、なんかうれしい。」
て「ちょっと、優子ちゃんと出かけてくるよ。」
雄「あら?いつのまに来てたの?」
優「突然すみません。おじいちゃんに会いたかったから、来ちゃいました。」
微笑んでいる優子は本当にかわいいなあと、家族みんなが思っていた。
雄「いってらっしゃい。気を付けてね。おじいちゃんに。」
て「うるさい!わしは何もしないぞ!」
と言ってるてつ爺の目が光った。


- 4 -

←PREV | INDEX | NEXT→