シーン4:メンバーの部屋〜道端(その夜。ラストライブ前夜)
♪ 〜 参宮橋 〜
曲の途中で、なんとリードを酒井さんとチェンジ!貴重!(♪萌えいづる想いに〜 から)
雨の振る夜。酒井氏の部屋のソファに腰を降ろしている村上氏。
酒:「やっぱり、明日やるんですか?」
村:「一人でも客が来てくれるなら、やるよ。」
酒:「そうですか・・・。」
村:「ハナシって・・・なに?」
酒:「・・・正直、まだ迷ってます。プロとしてやっていけるのかな・・・って。
ある意味、『戻れない橋を渡る』ってことですよね。
僕はまだ学生だし、今ならまだ、やり直せるかなぁ・・・って。」
村:「・・・本気で言ってるのか?」
頷く酒井氏。ちょっと出てきます、と村上氏を残して雨の中へ。
黒:「出来ましたぁ〜っ♪」
場面変わって北山さんの部屋。上機嫌で皿を3つ持ってくる黒沢氏。
黒:「今日は、菜の花を買ったから、菜の花と卵の春色チャーハンだよ。菜の花と卵のコントラスト(?)が”春ぅ♪”(声が裏返りつつ)って感じがするでしょ?これ、クッキングパパに載ってたんだ。」
夕食を前に、なかなか帰ってこないマコトを待つ2人。
北:「俺たち、あの人になにもしてあげられないのかなぁ・・・。」
黒:「それは、あの人がなにをしたいかによるんじゃない?」
北:「うん・・・」
道端。シャツで雨をよけながら小走りな酒井氏をマコトが呼び止める。
マ:「おとうさんに、嫌われちゃいました」自嘲気味に笑うマコト。
マ:「すみません!嘘ついてました!」
酒:「え?」
本当は、父親のこともメンバーのことも、あまり知らないのだ、と告白する。
忙しい父親とは滅多に顔をあわせることもなく、遠い存在だったと。
マ:「でも、父さんたちの歌が、たくさんの人を喜ばせてるってことは、
誇りに思ってました。」
酒:「その頃、僕も・・・?」
マ:「もちろんですとも!あ、でも・・・。」
酒:「何ですか?」
マ:「何とかのサカイに対抗して、2,3年いなかったような・・・。」
酒:「え?・・・それ、重要なんですけど。」
並んで腰を降ろした酒井氏に、マコトはぽつぽつと語りはじめる。
歌い手として成功した父親に、憧れつつも反抗していたこと。
有名な父親と比べて、仕事も恋もうまくいかない自分自身のふがいなさを情けないと思っていたこと。
酒:「マコトさんは何の仕事をしてたんですか?」
マ:「インド人の男の人にブラジル人の女の人を紹介する仕事です。2044年には、
インド人男性の方々にブラジル人女性が大ブームになるんですよ。」
酒:「戻りたいですか?・・・未来へ。」
マ:「彼女にフラれたときは、もう死んでいいやと思ってたけど・・・。
今は、ちょっと帰ってもいいかなぁ、なんて思いはじめています。」
この時代に来て、かなわないと思っていた父親にも道端で歌っていた頃があったことを知って、もうちょっと頑張ってみようかなぁと思った、と言う。
マ:「♪あいしてる〜の歌、歌いながら、鉄橋を渡りきれたら、
また、違う明日が見えてくるのかもしれないなぁ、って・・・。」
マコトの言葉を聞きながら、ひとり頷く酒井氏。
酒:「・・・渡って、みましょうか。」
♪ 〜 ひとり 〜
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