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それは、いつものように始まった一日だった。 朝、父(薫)が、みんなの分の弁当を作っていた。 薫「ああ、今日は暑くなりそうだな。こう暑くっちゃ、おかずも考えないとな」 そこへ、いつものように髪の毛を、唾で、なでつけながら、おじいさん(てつ爺)がやってきた。 て「ほほう、今日のお昼は、から揚げかい」 薫「あっ、だめですよ、おじいちゃんは。あまりあぶらっこいものはたべちゃ。だから、今日も、おひたしと体にいい青魚を焼いてあげますからね」 て「なんでだよ。そんなにじじくさくないよ、俺は。あっ、でも、脂が乗ってる秋刀魚はいいなあ」 雄「やだ、おじいちゃん。そんなによだれたらして」 と母(雄子)が起きてきて、食卓に座った。 雄「今日は私、仕事がつまってるから遅くなるわ」 薫「あまり、無理はダメだよ」と優しく薫が言い、 朝食(ごはん、味噌汁、卵焼き、サバの味噌煮等)を食卓に並べた。 雄「ごめんね、いつも。あなたが、専業主夫をやってくれているから、私が安心して仕事に行けるのよ」 と、優しく微笑んだ。 て「陽一、よういちー、起きろ!飯だぞ」 てつ爺は、自分の息子の相手はしてられないとばかりに、孫を起こしに行った。 陽一は、すでに起きて、というより、寝てないんだな、これが。 目の下にくまをつくって、パソコンをいじっていた。 て「お?なにやってる?じいちゃんにも、教えてくれや」 陽「なんだよ。あっ、やめろ。あっ、あっ、あああああああ!」 てつ爺は、パソコンの使い方を知っていた・・・・ が、もざいくがいっぱいあるホームページをくいいるように見つめていた。 陽「じいちゃん。いつも、俺のパソコン使って、こんなことしてたのか?最近、変な履歴が多くて、不思議に思ってたんだ。」 でも、陽一は、目をランランと輝かせているてつ爺を、怒る気にはなれなかった。 (じいちゃんも男なんだな・・・・) 陽「じいちゃん、飯だろ?」 て「あっ、そうだったな。精力つけなきゃだめだぞ。じいちゃんみたいにな」 陽(おいおい・・・・そこまで元気はやだよ、俺) |